2011年、10本目の鑑賞作品です。
【あらすじ】
幼いころから、ずっと吃音(きつおん)に悩んできたジョージ6世(コリン・ファース)。そのため内気な性格だったが、厳格な英国王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)はそんな息子を許さず、さまざまな式典でスピーチを命じる。ジョージの妻エリザベス(ヘレナ・ボナム=カーター)は、スピーチ矯正の専門家ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとへ夫を連れていくが……。
<シネマトゥデイ>
監督: : トム・フーパー
キャスト:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、ガイ・ピアース 、ティモシー・スポール 、デレク・ジャコビ 、ジェニファー・イーリー 、マイケル・ガンボン
公開日:2011年02月26日
公式サイト:
http://kingsspeech.gaga.ne.jp/
【感想】
(ネタバレ要注意!)
アカデミー賞に輝いた作品。
アカデミー賞が保守的なのは否めませんが、それでもアカデミー賞にふさわしい、良い作品でした。
エリザベス女王陛下の父君、ジョージ6世のお話です。来月に結婚されるウィリアム王子の曾祖父様にあたり、それほど昔の昔のお話ではありません。
吃音(きつおん)に悩むヨーク公(のちのジョージ6世)の、治療話がベースにはなっていますが、そこには何故吃音になったのかや、王室の立場、当時の王室と国民の関係性、ヨーク公の性格までが描かれています。次男坊であるジョージが、なぜ望まぬ王位に即位しなければいけなかったのか、兄のエドワード8世とシンプソン夫人のお話まで盛り込まれていていて、まるで王室伝記のような映画でした。
少し余談ですが、私の中の知識のエドワード8世とシンプソン夫人のイメージに大きなギャップが・・・これはまた違う角度で描いてアカデミー賞を狙ってほしいものです。(笑)
さて、当時のイギリスと言えば、世界の1/4を統治する大英帝国の時代。即位した父に「陛下」と呼ぶ娘たち(現エリザベス女王、マーガレット王女)に見せるジョージ6世の顔を見れば、それがいかに孤独で、いかに大きな任務であるかが伺えます。
そんなジョージ6世の気持ちを理解し、傍で支え続けたエリザベス(20002年、102歳でお亡くなりになったクィーンマザー(皇太后))は勿論ですが、ジョージ6世にとって心から信頼できる存在だったのが、吃音の治療にあたったオーストラリア人のライオネル・ローグではないでしょうか。勿論、そこに至るまでは数々の問題もありましたが、ジョージ6世にとって、心の内を話せる唯一無二の友であったはずです。
ジョージ6世が行うラストシーンのスピーチでのふたりのやり取りと、ジョージ6世が家族(エリザベス女王、エリザベス王女・マーガレット王女)と共に、バッキンガム宮殿のバルコニーで国民に手を振る様子をそっと見ているライオネルの姿には、胸が熱くなりました。
小さいころから内気で、父に厳しくしつけられ、それがやがては吃音になり、それをからかう兄のせいで、より深刻な症状へ陥ってしまったジョージ6世。自由奔放な兄が王位を退いたことで、望まぬ王になりましたが、のちに英国でもっとも愛される王となり、もともと体が弱かったことや数々のストレスから56歳と言う若い年齢で御崩御されました。4月にはジョージ6世の愛する娘エリザベス(現女王)の孫、ウィリアム王子の結婚式があります。ウィリアム王子もやがて、曽祖父のジョージ6世のように国民に愛される王となってほしいものです。
得点も85点のところ、来月に結婚式を控えているウィリアム王子の結婚祝いに+5点の90点で!英国在住経験者の私ですから、英国ビイキと言われても仕方がないです。(笑)
映画鑑賞評価 90点
今日の一言:一番保守的なのは、この私?(笑)
いつも応援ありがとう ♥ o(*^▽^*)o