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映画レビュー『ツナグ』

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2012年、23本目の鑑賞作品です。

【あらすじ】
きている者が、もう一度だけ会いたいと強く願う、すでに亡くなってしまった者。その再会の機会を設けることができる、“ツナグ”と呼ばれる使者の見習いをする高校生・歩美(松坂桃李)。ガンで逝去した母(八千草薫)と会いたいという高慢な中年男・畠田(遠藤憲一)、けんかをしたまま事故死した親友・御園(大野いと)に尋ねたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)など、さまざまな依頼人の願いをかなえる歩美。だが、死んだ者と生きる者が再び出会ってはいけないのではないか、それで両者は救われるのだろうかと考え……。



監督:平川雄一朗
キャスト:松坂桃李 樹木希林 佐藤隆太 桐谷美玲 橋本愛 大野いと 遠藤憲一 別所哲也 本上まなみ 浅田美代子 八千草薫 仲代達矢
公開日:2012年10月06日
公式サイト:http://tsunagu-movie.net/

【感想】( ネタバレ要注意!)

生きている者が、もう一度だけ会いたいと強く願う、すでに亡くなってしまった者との再会。その大まかなあらすじを読んだだけでも涙が出そうでした。

“ツナグ”と呼ばれる使者の見習いをする高校生・歩美(松坂桃李)この”ツナグ”は家族代々受け継がれていくもので、歩美もまた祖母(樹木希林)から”ツナグ”を受け継ごうとしている。

この作品は大まかに3つのストーリーで成り立っていて、その中には歩美の”ツナグ”を受け継ぐことの心のわだかまり、つまり両親の自殺が絡み合っています。

ガンで逝去した母(八千草薫)と会いたいという息子の畠田(遠藤憲一)
会いたい理由は「土地を売却したいが、土地の権利書の場所がわからず知りたい」というものでした。少し傲慢のような気もしますが、母に会いたい本当の理由は、ガンであることを母にも家族にも内緒にしていたことを自分の息子に責められ、実は自分自身もそれが本当に良い事だったのか、病を知っていたら残りの人生を有意義に過ごせたのではないか、本当のことを伝えられなかった自分を悔いて、母に謝罪したいと思っていた、それが母に会いたい本当の理由でした。

母はそれは息子の優しさで、思いやりだったと。そして自分は幸せだったと言います。このストーリーで母を演じる八千草薫さんが実にいい。ひと言、ひと言、息子に向ける言葉が温かく、息子を演じた遠藤憲一さんが、みるみる幼い子供が母に諭されるような、そんな雰囲気になって行くのを見て、思わず涙があふれた。


高校の演劇部でも一緒、親友同士の御園(大野いと)と嵐(橋本愛)
演劇部ではいつも主役の嵐ですが、ある日、御園も主役を演じたいと名乗り出ることで、ふたりの関係がぎくしゃくしてしまう。ましてや、その主役を御園が勝ち取ったことで、嵐は御園に憎しみにも近い感情を抱き、帰り道に通る民家の庭の水道のホースから水を出し、寒さに凍ったこの道を通る御園に仕返しをしようと思いつく。が、そのまま御園は事故に合い亡くなってしまう。あの水道から水を出したせいで、御園が自転車で転び事故に合ったのでは?嵐はそのことを御園に伝えるべきではと悩み、御園に会いたいと願う。

しかし会った御園は、そのことには触れず、楽しい思い出を語るばかり。嵐もまた、そのことを伝えるどころか、謝る事をも躊躇してしまい、そのまま別れることになった御園と嵐。別れ際、御園は嵐に言います。「歩美くんに伝言があるから聞いて。」と。

その伝言は「道は凍っていなかったよ」というものでした。御園も嵐の仕業を知りながら、嵐がそのことを伝えられないかもしれないと、あらかじめ歩美に伝言を頼んでいたのです。

伝言を聞いた嵐は、自分のしたこと、真実を伝えられなかったこと、謝罪できなかったことをふたたび悔いてしまいます。そして歩美もまた”ツナグ”という事がどういうことなのか、本当に必要な事なのか、後継者になる事を少しずつ考え始めるようになってしまいます。


そんな時に再び歩美が”ツナグ”のは、7年前疾走した恋人(桐谷美玲)と会いたいと願う男(佐藤隆太) 失踪したのか、死亡しているのかさえ分からない。会えるという事は即ち彼女の死を意味していることで、それを受け入れる事が出来ない男性・・・名前も何も全てうそ、本当のことを知ったら自分を7年も忘れずにいた彼を失望させるのではないか、このままの方が良いのではないかと悩みながら、彼には前を向いて進んでほしいと会うことを決断する女性。

3つのストーリーは平行しながら、この順番で進んでいきます。
正直、お話が進むにつれて、少し長くない?という気もしました。
3つめのおはなしでは、完全に涙が途切れてしまった。(汗)

そしてお話はここでは終わらず。(笑)
歩美の両親の死です。父は女性とホテルで密会し、浮気を知った母が逆上し、父が母を殺し、父が自決したと聞かされていた歩美。父に”ツナグ”を譲ったことが、ふたりの死に至ってしまったと悔いている祖母の気持ちを和ませるように、歩美はひとつの物語を話します。この結末は、歩美の成長と”ツナグ”となる後継者としての気持ちの整理が出来た瞬間だったのでしょう。

私には会いたいと強く強く願う人が2人います。
一生添い遂げようと思った人。
まるで双子のような姉。
どちらも突然、本当に突然、私の前からいなくなりました。

このストーリーの中では、会いたいと願う人も、その相手も会えるチャンスは一度きり。つまり2人には会えないのです。たった一度のチャンス、私ならどちらに会おう。この作品を観ながら、何度も自分に問い、結局最後まで結論は出ないまま。

これは永遠に出ない結論だろうけど、いつかあちらの世界で二人一緒に会えばいい。そう自分に言い聞かせました。

死んだ人の物語は、生きている人の為の物であってほしい。
最後の最後の歩美の台詞に号泣し、少し救われたような気がしました。


評価 :75点  <個人の気まま勝手な評価なのであしからず。>
わらい度 : ☆☆☆☆☆
なみだ度 : ★★★☆☆
お勧め度 : ★★★☆☆

* 本日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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by Firstsnows | 2012-10-06 20:50 | 映画レビュー2012
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