2012年、6本目の鑑賞作品です。
【あらすじ】
911の同時多発テロで、大切な父(トム・ハンクス)を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)。ある日、父の部屋に入ったオスカーは、見たことのない1本の鍵を見つける。その鍵に父からのメッセージが託されているかもしれないと考えたオスカーは、この広いニューヨークで鍵の謎を解くため旅に出る。
監督:: スティーヴン・ダルドリー
キャスト:トム・ハンクス サンドラ・ブロック トーマス・ホーン
マックス・フォン・シドー ヴィオラ・デイヴィス ジョン・グッドマン
ジェフリー・ライト ジェームズ・ガンドルフィーニ
公開日:2012年02月18日
公式サイト:
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』公式サイト
【感想】
( ネタバレ要注意!)
大好きな父親を9.11 のアメリカ同時多発テロで亡くした少年オスカーが、父親の残した鍵の謎を探るべくニューヨーク中を奔走する姿を描いた作品。
アスペルガー症候群の疑いがある少年オスカーは、コミュニケーションが苦手な男の子。そんなオスカーが苦手なコミュニケーションを改善させようと、父(トム・ハンクス)はゲームを企画します。オスカーもまた父と一緒に共有する時間を心から楽しんでいる様子だ。
どこにでもいる仲の良い家族。ところがある日、9.11のテロに巻き込まれた父は命を落としてしまいます。
最愛の父を失った少年オスカー。父を失った喪失感、寂しさ、悲しみに暮れる日々。そんなある日クローゼットから「BLACK」と書かれた封筒に入った鍵を見つけ、父からのメッセージだと信じたオスカーは、「BLACKさん探し」とカギの謎解きを始めます。
映画が始まって序盤から中盤にかけては正直少し退屈感が否めませんでしたが、祖母の家に同居する「間借り人」と一緒に謎を解き始める段階に来ると、スクリーンから目を離すことが出来なくなりました。それと同時に胸がじわじわと熱くなり、涙が止まりませんでした。
オスカーにとって父がどれだけの存在だったのか。それを証明するシーンが1か所ある。母(サンドラ・ブロック)に向かって「ママがあのビルにいればよかったのに」という。 息子が父親をどれだけ愛しているかは知っているはずであろうが、当の本人も愛する夫を失った悲しみが癒えない中での息子の一言はいかばかりか…同じ母としてとても胸が痛かった。
ただ母は強し。ラストでわかるのですが、オスカーが「BLACKさん探し」をする前に、息子が尋ねるであろう「BLACKさん」に先回りして事情をすべて話しているのです。幼い子を一人ニューヨークのど真ん中に放り出す、しかもオスカーはコミュニケーションが苦手なアスペルガー症候群。母リンダがどんな気持ちでオスカーの帰宅を待っていたのかと思うと、母リンダの強さに敬意を表するとともに涙があふれてしまいました。この母リンダを演じたサンドラ・ブロックが実に控えめな演技でありながら、大きな存在感を見せていて良かった。
そしてオスカーの「BLACKさん探し」とカギの謎解きを手伝う祖母の家に同居するマックス・フォン・シドー演じる「間借り人」は口の利けない老人。口が利けないという役柄を演じたマックス・フォン・シドーの演技が素晴らしく、その温かさはオスカーでなくても「おじいちゃんなんだね」とすぐにわかりました。
この鍵の謎に関しては「あら…」という結末ですが、大事なのは結末ではなく、オスカーがここにたどり着くまでの過程と、それによってオスカーが何を得るかなのだと思います。この鍵こそが、キーポイント。(笑)オスカーの心の鍵を開ける大事な鍵だったわけです。オスカーは「BLACKさん探し」とカギの謎解きをしたことで、ひとまりもふたまわりも大きく成長し、父の死を乗り越えたのだと思います。そして父がいなくとも自分を愛している人が沢山いることに気が付いたでしょう。
家族愛をいっぱい感じた映画でした。
そして…子供がすることを 本人が納得いくまで 見守る母親…
私も学ばなければと痛感した作品でもありました。
評価 :85点 <個人の気まま勝手な評価なのであしからず。>
わらい度 : ☆☆☆☆☆
なみだ度 : ★★★★☆
お勧め度 : ★★★★☆
* 本日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
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